木村庸祐と私/Yosuke Kimura and I

木村庸祐と私が初めて会ったのは、10年ぐらい前のアメリカ・ニューヨークでのことだった。私は、もともと彼の妻である木村瑞穂と知り合いで、彼女から彼を紹介されたのが初めての出会いだったと思う。「寡黙でありながら優しい雰囲気を持つ紳士」というのが彼を表現する為の正しい言葉だろう。彼の母語は英語だったので私は片言の英語で彼と話していたが少しも嫌な顔をせずニコニコ会話につきあってくれていた。二人はアメリカで暮らしていたが、2011年に妻の実家のある岡山県伊部に移動した。私も半年遅れで日本に帰国したが双方の家が車で30分くらいの距離だったので今も時々遊びにいっている。妻の瑞穂は、備前焼の名家木村家の跡取り娘なので、いつか『木村微風』の名を継ぎ八代目として活動する事になるだろう。庸祐は帰国後、義父の『七代目 木村微風』の元で修行をし、最近ではいくつもの良作を発表している。七代目は彼について「面白いものを創るね。ただその形は斬新なため、焼く時に割れてしまう事が時々ある。そこが課題かな」と教えてくれた。元構造設計デザイナーの「木村庸祐」は、備前焼という伝統工芸を後世へと導く革新という風を吹かせようとしているのかもしれない。これからも彼の作品に注目していきたい。ーGAVAERS/小谷倫一